【6月13日(木)】
スクーデリアタナカをご覧の皆様、こんにちは。
<NC工作機械は語る>
随分前のことですが、社長から「機械音や品物の状態をみる」ように指導がありました。
工作機械で製作した品物は「全品検査」をしていますが、工作機械のチョットした変化で製品の検査結果に変化が現れます。
例えば、「カウントアップ」で工作機械の刃物を交換した場合、製品の寸法が1/100ミリ単位で変化します。
それほど、シビアな世界です。
昨日も工作機械で製品を作っている最中に「異音」がありました。
工作機械は常に同じ工程を繰り返していますので、変化があると発生する音も異なります。
昨日は、「ギャー」と悲鳴を挙げているような音がしました。
社長に報告すると「部品の切削で油が切れかかっている状態」との事でした。
(内容はよく分かりませんが・・・)
この報告が午前中、午後の作業では一切音がしませんでした。
多分、昼休みに社長が対応されたことでしょう。
また、工作機械の切削が終了し、製品を取り出そうとすると「切粉が製品に絡まって」いました。
たしか以前に「切粉の状態にも工作機械の状態が現れる」という指導を受けたことがありました。
早速、通常の状態では無いので製品を持って社長のところへ。
すると、「刃物」を取り外し、再度取り付けを。
そして切削を行い寸法を計測すると、1/100ミリ単位での変化を確認。
それまでも範囲内(今回の品物は2%以内)ではありましたが、更に寸法精度が向上しました。
勿論、その後の切粉の絡みはありませんでした。
NC工作機械は自動で製品を作ってくれますが、材料の取り付けなどが製品精度に大きく影響します。
また、機械の状態は、発生する音や切粉の状態でも観測することが出来ます。
工作機械はプログラムされている内容を繰り返すだけですが、そこには秒妙な変化があります。
工作機械の作業は、そこまで感じ取る必要があるということです。
工作機械による製品作り、単純作業ですが結構奥が深い。
そして、まさに「NC工作機械は語る」です。
【6月4日(火)】
スクーデリアタナカをご覧の皆様、こんにちは。
<作業指示(注意事項)には意味がある>
昨日は、一日の最後に小さな製品の「穴の拡張」を指示されました。
卓上万力で製品を固定、
大型のデスクドリルで製品の「穴の拡張」を行うというものです。
社長から作業手順を説明・展示していただき、二点ほど注意事項がありました。
注意事項は、
「万力で締めすぎないこと」
「穴にドリルを通し、ある程度通してから少し戻すこと」+(ケガをしないこと)
の二点でした。
説明を聞くものの「意味が分からない」、そして意味が分からないまま「取り敢えずやってみよう」と、作業を開始しました。
以前に何回か同じような「穴の拡張」をしたものの、今回の作業は形態が異なりました。
以前は、万力の幅が固定されていて、品物を置くための「底板」がありました。
その「底板」に製品を置くだけでした。
ただ、製品と万力の間には若干の「遊び」があり、ドリルを通すときに製品が左右に「ぶれる」ことによって安定しました。
しかし、今回は「底板」がありません。
万力で固定してからドリルを通すという作業です。
その万力の固定を「締めすぎないこと」とは、どういうこと?
NC工作機械のチャックの場合は、部品がしっかり固定されます。
しっかり固定しないと、正確な「穴の拡張」が出来ないのでは・・・。
しかし、作業を行い意味が分かりました。
「底板」が無いということは、製品は上下にぶれます。
製品の固定が水平180度よりズレていた場合、「穴の拡張」が斜めになってしまいます。
しかし、「万力で締めすぎない」と、製品が上下に「ぶれる」ことによって安定します。
「作業指示(注意事項)には意味がある」、初めて行った今回の作業、その理由が分かった時は「なるほど」と少し感動しました。
そして「穴にドリルを通し、ある程度通してから少し戻すこと」、これも作業を開始して意味が分かりました。
穴にドリルを通すときに通しすぎると製品とドリルがしっかりと勘合します。
そこでドリルを起動させると、万力自体がドリルの歯と一緒に回転してしまいます。
これは、以前の「底板」固定式の「穴の拡張」で何回か経験していました。
なるほど、それで「ケガをしないこと」という注意が付け加えられてあった訳です。
「作業指示(注意事項)には意味がある」、しっかりと聞いて意味を理解しなければ良い製品は作れない,。
昨日は、それが分かった作業でした。
本日は「通院」のため仕事はお休みさせていただきます。
コメント